コーチ・コンサルタント・カウンセラー・セラピストなど、個人向けの対人支援ビジネスで独立起業している皆さん。
皆さんはきっと、今の仕事を始めるとき「クライアントに喜んでほしい」と考えてスタートし、日々それを心がけていますよね?
しかし、この「クライアントに喜んでほしい」という想いが、ときに不健全なものになってしまうことがあります。
そうなると、本当の意味での顧客満足にはつながりませんし、最悪の場合、自分も仕事をたたむ羽目になってしまう可能性すらあるんです。
今回は、そんな顧客満足度の「落とし穴」にはまってしまうとき、あなたの深層心理にどのような気持ちが潜んでいるのか、どうすれば真の意味でクライアントに喜んでもらえるのかを、具体的な例をまじえて解説します。
間違ったクライアント対応の例~これを続けるとどうなるのか
皆さんは、クライアントに対応しているとき「もっと満足してもらわないと!」とプレッシャーを感じることはありませんか?
もちろんクライアントに満足してもらうのはとても大事なことです。
しかし、その方向性や動機がずれていると、ある典型的な「ワナ」にはまってしまうかもしれません。私の知る限りでも、このワナにはまってあやうく廃業になりかけた人もたくさんいます。
「クライアントに満足してほしい…それのどこが悪いの?」
と、あなたは不思議に思うかもしれません。
顧客満足度などと言われなくても、
「せっかく高いお金を払ってもらうんだから、私のセッションや講座で喜んでほしい!」
と起業したときからずっと思っていますよね?
もちろん、それはOKです。私だってそう思います。
ただし、いくら喜んでほしいからといって、こんな対応をしていませんか?
- 1回のセッションや面談時間がやたら長い
- 2行の問合せに20行以上の長文で返す
- 頼まれもしないのに、毎日こちらから連絡して「どうですか~?」などと様子を伺う
…こんなことまでしているとしたら、その「喜んで欲しい気持ち」は本物か?と、一度考えてみてほしいんです。
こういう対応をずっと続けていたら、どうなると思いますか?
遅かれ早かれ、手が回らなくなることは目に見えていますよね。
クライアントが3人いたら、もういっぱいいっぱい……!
ということになります。
たった3人で「これ以上時間が取れない」という状況になってしまえば、せっかく選んだその仕事を続けていくことすら難しくなりますよね。
正しいクライアント対応をするための大切な考え方
ちなみに私が個人セッションを実施していた当時は、20人以上のクライアントを並行して進めていました。
「どうやったらそんなに時間が取れるの?」
と思うかもしれませんが、答えは単純で、クライアント1人あたりに余計な時間をかけていないからです。
ここがもっとも大事なことなのですが、クライアントというのは、時間をかけて対応したからといって、成果が上がるわけでも、満足度が高まるわけでもない!ということをしっかりと覚えておきましょう。
大事なことは、あなたの対応時間の長さではなく、クライアント自らが自立心をもって自分からどんどん行動できるかどうかです。
これはコンサルでも、セラピーでも、コーチでも、人にアドバイスをする仕事や対人支援の仕事ならすべて同じです。
では一体どうやったらそんな自立心を持ってもらえるのか?と思いますよね。
いつまでも自立できないクライアントを抱えている多くの人、特に駆け出し起業家が間違えやすい典型的な「心構え」があります。
それは何かというと、まとまった契約をもらったときのクライアントに対する気持ちなんです。
あなたは、こんな風に思いませんでしたか?
「こんなに高いお金をもらったんだから、一生懸命、頑張らなきゃ!!」
一見すごく前向きで良さそうに思えますが、いったい何がダメなのか分かるでしょうか。
実は、違っているのは「誰が」の部分なんです。
「私が」がんばらなきゃ!は違うんですね。
がんばるのはあなたではなく、クライアントです。
だから
「こんなに高いお金を払ったんだから、成功するように頑張りましょう!」
これが正しいクライアントへの姿勢、考え方なんです。
もちろんクライアントだけに頑張ってもらうのではなく、応援する側として「一緒に頑張りましょうね」でもOKですが、要は、悩みを解決するのも、望みを達成するのも、お金をもらうあなたがやるのではなく、お金を払ったクライアントがやるということです!
この区別ができてないと、あなたのビジネスはこれ以上は絶対に伸びませんよ。
なぜ間違った対応をしてしまうのか…その深層心理とは
ところで、上記のような間違った対応、つまり「クライアントのために一生懸命やらなきゃ!」と自分ばかりが動き回って時間がなくなってしまう……という状況の奥底には、ある心理が潜んでいることが多いです。
それは、クライアントに「私が」嫌われたくないから頑張るという不健全な思考です。
これは相手のことを考えているようで、本当は自立につながらないからクライアントのためになっていないし、その場限りで喜ばれそうな対応ばかりするので計画性を持って進めることができません。
だから、ちょっとクライアントが増えると必要以上に時間をかけてしまい、すぐアップアップしだす。アップアップして疲れてくると、これって本当に自分のやりたいことなのかが分からなくなる。
そして、ブログなどの発信の手が止まり、焦ってコンセプトを変えようとする。
こういう流れが、ダメになる典型的な症状なんですね。
こんなふうにならないために、クライアントには「頑張ります!」ではなく「頑張りましょうね!」というスタンスで温かく見守って、しばらく連絡がなくても、動揺せず様子をみましょう(笑)。
もし相手が質問や相談をしてきたら、しっかり受け止めて答えてあげてください。
ちなみに、このやり方はコンサル・セラピスト・講師・コーチなどの「人にアドバイスをしてお金をもらう仕事」でしか通用しないので注意してください。
デザイン・ハンドメイド・PR代行など、請け負って納品・代行し、お金をもらう仕事の人が「がんばるのはクライアントです」「言われるまで黙って見守ります」という姿勢は、当然ですがあり得ないこと。一瞬で仕事を失ってしまうので気をつけて下さいね。
いずれにしても、相手に自立してもらうには、まず、あなたが自立してなきゃダメ!ということですね。
そんな上手な線引きをするコツなども、私の講座ではお伝えしていますので、気になる方はぜひのぞいてみて下さい。
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