コーチ・コンサルタント・カウンセラー・セラピストなど個人向けの対人支援ビジネスで独立起業した人が、少し慣れてきた3年目あたりに、下のよう状態に陥ることが時々あります。
- 一生懸命頑張っているんだけど、どうもやることがとっちらかってしまって方向性が定まらない
- 毎日必死で取り組んでいるわりに成果が出ない
- どういう方向に努力したらいいのかわからない
これらは、実は特有の心理によるものなんです。
今回は、壁にぶつかってしまう心理とはいったいどういうものなのか、そしてそれを乗りこえてビジネスをまっすぐ進めていく方法を解説します。
「3年目で成果が出ない人」の典型的な状態とは
皆さんはこれまでに、頑張っても頑張っても、思うように成果が出ない!という経験はありますか?
仕事だけでなく、勉強・スポーツ・趣味の世界でもそんな時は誰にでもありますよね。
そういう時には「なんだかやることが散漫になって、成果に向かっている感覚がない」と感じるのではないでしょうか?
実際、私の起業講座にも「このとっちらかった状態をとにかく何とかしないと、これ以上前に進めないんです!」と助けを求めて来られる人は結構多いです。
しかし一口に「とっちらかる」といっても、では具体的に何がどう散らかっているのか、自力で分かる人は非常に少なく、とにかく「なんとなくとっちらかって、何をどうして良いかわからない……!」という感覚に陥っている人がほとんどですね。
この状態というのは、つまり「ビジネスに必要なものがバラバラ」の状態だといえます。
よくあるのはこんなパターンです。
・メインプログラムが2つも3つもあって、自分のコンセプトが定まらない
・相手にしたい人=ターゲット層が複数いて、どこに照準を定めてよいかわからない
・せっかく頑張ってセミナーに集客したのに契約につながらない
・バラバラな状態をまとめるイメージはあっても、それがうまくコトバにならない
・普段の発信内容があちこち飛びすぎて、自分は何屋さんと言えない
そして、こうなってしまうのは、起業直後の方は意外と少なくて、実は3年目以降のちょっとベテランになってきた方が多いんです。
いったいなぜでしょうか? その理由は2つあります。
方向性が定まらない理由 その1:仕事の幅を広げすぎる
1つめは、スキルを学んでいるうちに興味の方向が広がり過ぎて方向性を見失った、まとめられなくなった…という感じですね
これは会社員でも同じで「私は何でも屋です」と自虐的に答える人がよくいますが、いろいろな部署でキャリアを積んでいくとうちに、経験の幅が広がりすぎて何が自分の専門なのかわからなくなってしまう状態です。
といっても、自分の中から興味がどんどん湧いてきて、行動して結果も出ているのであれば、むしろそれは引出しが増えて良いことです。
しかし、なかには「私もアレをやらなきゃ、置いていかれる・・・」という、ちょっと不健全な気持ちにかられてあれこれ手を出してしまう人もいます。
そして、その根本的な心理というのは、
「自分にはウリになる経験もスキルもない」
という思いなんです。
自分には何も価値や強みがないと思っているから、外部に価値を求め、空っぽの自分を埋めようとしたくなってしまうんですね。
こういう気持ちがベースになっていると、いくらその上にそれっぽい発信を上乗せしても「幻の強み」なので、なかなか結果が出ません。
それでまた新たなスキルを探しに行く、という悪循環になるわけです。
しかし私は日々「ウリになる経験やスキルが何もない人なんか絶対にいない!」と思って受講生さんに関わっていますし、絶対そうなのです。
ところが、会社によっては「できて当たり前」という空気のところもあり、そういう環境に長くいた人ほど、どうしても何をやっても自信が持てなくなるんですね。
ですが、これを解消するのは意外と簡単です。
あなたの得意やこれまでやってきたことを使って「助けてほしい!」という人に会い、役に立つという経験を重ねればいいのです。
「え?こんなことで喜んでくれるんだ・・・」
ということに出くわすほど、
「自分には何もない」
という思い込みはどんどん外れていくんです。
方向性が定まらない理由 その2:顧客の要望に応えすぎる
2つめは、クライアントからの「こんなことできませんか?」という要望に応えていたら、いつの間にか仕事の方向性がとっちらかってしまった……というもの。
実は、この方がかなり根深い問題です。
これは、仕事ができるできないではなく、どんな人も陥りやすい心理なのですが、相手の要望に何でも応えてしまうという行動の裏にあるのは、
「常に誰かの役に立ってないと不安」
という思いであったりするのです。
よく「手帳に予定がぎっしり詰まってないと不安」という人もいますね。
こういう人は、
「ここで断ったら仕事がなくなってしまうのでは?」
とか、
「空いた予定に何もすることがないと先行きが心配」
と思い込んで、
- 利益にならない仕事でもホイホイ引き受ける
- 相手の要望に応じてどんどん価格を変えてしまう
- せっかく作ったプログラムを要望に応じて変えてしまう
ということをやらかしてしまいます。
こうやって文字で見るとすでに、とっちらかるのは明白!
・・・なのですが、本人の中では必死で頑張っているのになぜうまくいかないんだろう…という心境なんですね。
しかし、相手の要望に応えることが最優先になればなるほど、いつまでたっても相手次第で方向がブレてとっちらかったままだし、自分軸ではなく相手の都合で左右される「下請けマインド」から抜け出せないんです。
ここで皆さんに是非覚えておいてほしいのは「やったらやった分だけ利益が上がるビジネス」というのは、限りなくシンプルなしくみをつくった人だけに訪れるということ。
- ブログ・SNSで知ってもらって
- セミナーなどに来てもらって
- 契約してもらう!
というたった一本の流れを、ひたすら効率的にすることに取り組んだ人だけ、頑張った分の結果がついてきます。
これがバラバラと横に広がったり、流れがどこかで詰まったりした途端に、ビジネスは頭打ちになってしまうのです。
「どうしてもメインプログラムがまとまらない!」「どうしてもうまくしくみが回らない!」
という人は、この流れをよく理解することに加えて、自信のなさから来る根深い心理、つまり「とにかく相手の要望に応えなければダメだ」という思い込みが心の奥底にないか、よく自分と向き合って考えてみて下さい。
すべての要望にその都度必死で応えていては、方向性がまとまらずビジネスが伸びないばかりか、一番大切な「しくみを作る時間」をロスしてしまい、何も前に進まないのです。
というわけで、スキルや経験を生かし「高く売れる自分」になりたいのなら、不要な要望に「NOと言える勇気」を持つことから始めてください。
仮にNOと言ったために目の前の人が離れてしまっても、必ず次のあなたに必要なご縁が新たに入ってきますからね。
起業したものの、どうしても方向性がとっちらかる、まとまらない、正しい努力ができていない…と感じている人がその「壁」を超えるには、具体的なノウハウよりも、あなたの中にある心理的なクセを直して行く方が早く成果につながる!私はそう思っています。
メールマガジンのご紹介
独立起業に欠かせない「コンセプト」のつくり方、ブランディングの方法、売れ続けるしくみを実践しながら学びたい方は、ぜひ無料メールマガジンを読んでみてください。