コラム

ChatGPT広告を個人で出稿してみた|実測でわかった費用対効果と限界

コーチ・コンサルタント・カウンセラー・セラピストなど、個人向けの対人支援ビジネスで独立起業している皆さん。

「ChatGPT広告が、個人でも出せるようになった」。そんな話を最近、耳にするようになりました。

しかも、広告を見る人はAIに質問している真っ最中の人です。だったら、こちらの話にもコミットが高くて、広告の効果もさぞ高いはず・・・そう期待したくなりますよね。

私も、まさにそう思って、実際に自分で出稿してみました。

結論から言うと、今のChatGPT広告には、はっきりと「向く商材」と「向かない商材」があります。
そして残念ながら、私たちのような対人支援ビジネスは、今のところ後者に近いというのが実感です。

広告業界23年と、独立後800名以上の個人起業家を支援してきた経験から、実際に出してわかったことを率直にお伝えします。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

ChatGPT広告が、ついに個人でも出せるようになった

広告出稿のイメージ

まず、前提から整理させてください。

ChatGPT広告は、少し前まで、選ばれた一部の大手企業だけのものでした。当初の最低出稿額は20万ドルから25万ドル、日本円で約3,000万円から3,900万円が必要だったと各社が報じていて、とても個人が手を出せる世界ではなかったんですね。

ところが、2026年の6月末。日本国内でセルフサーブ化されました。個人でも自分で管理画面から出稿できるようになったわけです。

ただし、出はじめの頃は、選べる目的が「リーチ」と「クリック」だけ。コンバージョン、つまり申込みなどの成果で最適化する機能はまだありませんでした。

なので私は、まず「クリック」で試験的に出稿してみることにしたんです。

実際に出してみた|クリックは安い、でもリストは薄い

さっそく出してみて、最初に驚いたのは、クリック単価の安さでした。

クリック単価は、100円以下。
これは、正直かなり安い。ほかの広告と比べても、じゅうぶん戦える水準です。実は、国内の広告代理店が公開した実配信データでも、ChatGPT広告の平均クリック単価は86円から104円と報告されていて(2026年7月時点)、私の実測とも、ほぼ一致していました。

「これはいけるかもしれない」・・・と、思ったのですが。

問題は、その先でした。

安く集めたクリックから獲得できたときの単価は1件あたり約6,000円ほどでした。

クリックは安いのに、リストになると急に薄くなる。クリックした人の多くが登録までなかなか進まなかったわけですね。

質問しているユーザーだから熱心なはずという私の期待は、ちょっと肩透かしを食らった感じがしました。

コンバージョン最適化を試したら、入札上限が1件6万円だった

クリック課金とコンバージョン最適化の単価差を示すイメージ

その後、待っていた「コンバージョン最適化」が、ようやく使えるようになりました。

成果につながりやすい人に、AIが配信を寄せてくれる機能です。これで薄さが解消されるかもと期待して、管理画面で新たな広告キャンペーンを操作してみました。すると、配信するためには、獲得1件あたりの入札上限を、なんと約6万円(正確には6万1,500円)に設定するよう求められたんですね。これは、毎回その金額を必ず払うという意味ではなく、「そこまでの上限を許容しないと配信されない」という条件です。

無料のオプト、私の場合は動画セミナーの登録ですが、これを1件取るために、そこまでの上限を許容するとなると、これでは計算するまでもなく採算が合いません。私はこの時点で「今の条件では使えない」と判断しました。

米国の専門家も同じ壁にぶつかっていた

「これは、私の設定がダメなだけでは?」と思っていろいろ調べてみると、実は、海の向こうでも、似たような現象が報告されていました。

報告していたのは、Meta広告の第一人者として知られるJon Loomer氏。彼は5月のベータ版から、このChatGPT広告を試していました。

彼が自身のブログ(jonloomer.com)に書いていた内容を、私なりに要約すると、こうなります。

無料の登録特典で試したところ、コンバージョン最適化の入札上限を約210ドル、日本円でおよそ3万円にしないと「配信されないかもしれない」という警告が出たそうです。

また、彼の見解は、あくまで要約ですが、もしこれが本当なら、たいていの広告は価格的に成り立たなくなってしまう。200ドルの価値もないような、ごく普通の登録特典のために、そこまでの単価で広告を出す理由はないということでした。

ただし、まだデータが足りないだけかもしれないと、彼は留保もつけていました。

米国で無料オファーに約3万円。そして日本で私が約6万円。
国も、商材も違う、独立した2つの事例で似たような結果だったわけです。

向く商材・向かない商材|「質問している人」への期待の落とし穴

ここまでの実測から、見えてきたことを整理します。

今のChatGPT広告が向くのは、取引型・即決型の商材です。低単価でその場ですぐに買ってもらえるようなもの。

逆に向かないのは、高額&長期の検討が必要で、信頼が決め手になる商材。私たちのような対人支援ビジネスの多くは、まさにこちらですよね。

では、なぜ「ChatGPTで何かを質問している人」への期待は外れたのか。

私が思うに、これは「具体的に何かの専門家を探している人」と「何かを知りたい人」には、大きな心理的な差があるということです。

AIに質問している人の多くは、その場で答えをただ知りたい人がまだまだ多く、悩みを解決してくれる専門家を本気で探している人は、現時点ではまだ少ないということです。ただ、これもAI検索がさらに増えていけば、どこかの段階でガラッと変わるかもしません。

広告は「入口」を作れる。でも、選ばれ続けるには信頼が要る

とはいえ、私は、広告そのものを否定しているわけではありません。

広告には、広告にしかできない役割があります。それは、まだあなたを知らない人に見つけてもらう「入口」を作れること。これはSNSが新規にリーチしにくくなった今、最も速く、確実に入口をつくれる手段のひとつです。

ただ、入口を作れることと、選ばれ続けることは別の話です。

広告は、お金を払っている間だけ露出が続きますが、止めれば露出も消えます。

一方で、AIに選ばれ続けるために必要なのは、この人は「〇〇の専門家である」という信頼です。

ここで大事になるのが、お金を払って自分で買う露出と、他者から与えられる評価の両輪という考え方です。

なぜ両輪なのか。広告で入口を作りつつ、その受け皿として、消えない信頼を積み上げておく。すると、広告を止めても信頼は資産として残り、AIもその信頼を参照して、あなたを選ぶようになります。だから、両方が要るんですね。

信頼をつくる最も効果的な手段は第三者評価

では、その信頼は、どうやって作るのか。

最も効果的なやり方は、第三者からの評価の獲得です。それも特に、メディア掲載をはじめとする権威ある他者からの紹介や言及ですね。

そしてなぜ、これがAIブランディングの核心なのか。

その理由は、AIは自分で「私はすごい」と言っている情報より、第三者が客観的に評価している情報をはるかに重く見るからです。自作自演ではないという点で信頼できると判断するわけですね。

では、この第三者評価をどう作るのか?

これが、メディア掲載をはじめとする第三者へのアプローチを戦略的に仕掛けていくことです。

戦略的に第三者評価を得るには?

メディア掲載を狙うとき、気をつけなければいけないのは、自分の宣伝をする場ではないということをしっかりと理解することです。あくまで、自分の活動が社会にとってどう役立つのか?という視点で、メディアに情報を提供するという意識が必要です。

そして、その点では私のような広告代理店出身者より、実際にメディア側の立場にいた人の方法を参考にするのが近道です。

私が以前から信頼している元読売新聞社会部記者・坂本宗之祐さんは、新聞記者として11年1か月、全国で5,000人以上を取材。電通PRのシニアコンサルタントを経て独立し、これまで3,000人を超える経営者・起業家・広報担当者などを指導しています。

「自分の活動には、どのようなニュース価値があるのか」「どうすれば新聞やテレビから取材されるのか」をまず自分で学びたい方には、延べ5,000人以上が登録した新聞・テレビに取材される方法を学べる無料10日間メール講座もあります。

まとめ|ChatGPT広告は「入口」、信頼は第三者評価をコツコツ積み上げる

今のChatGPT広告は、クリック単価こそ安いものの、コンバージョン最適化では、無料オファー1件あたり約6万円という高い入札上限を求められました。米国のJon Loomer氏の事例、約3万円とも符合しています。

だから、取引型・即決型には向いても、高額・長期検討・信頼型の商材には今のところ合いません。

とはいえ、広告には「入口」を作る力があります。大事なのは、その入口とセットで、消えない信頼を、第三者評価で積み上げていくこと。

広告で入口を作り、第三者評価の信頼で選ばれ続ける。
この両輪こそ、AIに選ばれる個人起業家になるための、これからの戦略なんですね。

よくある質問


ChatGPT広告は、個人でも本当に出せるようになったのですか?

出せるようになった、という声はよく聞きますね。以前は選ばれた大手パートナーだけで、最低出稿額も約3,000万円でした。それが2026年6月末にセルフサーブ化され、個人でも管理画面から出稿できるようになりました。ただし現時点では、アカウント作成にあたって、事業者としての登録(法人番号)が求められる場面があります。OpenAI社も次々と改善を加えているので、まずは広告アカウントをつくり、機能の進化を定期的にチェックすると良いと思います。


ChatGPT広告のクリック単価は、実際いくらぐらいですか?

私が実際に出したときは、クリック単価は100円以下でした。管理画面上では、クリック単価は450円以上を推奨されましたが、実際やってみたら、それより遥かに安い100円以下でクリックされる結果となりました。


コンバージョン最適化を使えば、成果は上がりますか?

期待したくなりますよね。ただ私が試したところ、コンバージョン最適化で配信するには、獲得1件あたりの入札上限を約6万円に設定するよう求められました。これは実際に毎回払う獲得単価そのものではなく、「この上限まで許容しないと配信されない」という条件です。無料オファーや低単価の商材で、そこまでの上限を許容するのは現実的ではありません。参考までに、Meta広告のビジネス系では実績の獲得単価が3,000〜7,000円程度で回るケースも多く、それと比べると、今のChatGPT広告のコンバージョン最適化は、個人起業家の対人支援ビジネスや講座ビジネスには時期尚早だと感じます。


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