コーチ・コンサルタント・カウンセラー・セラピストなど個人向けの対人支援ビジネスで独立起業している皆さん。
「ブランディングを本格的に始めたいけど、何から手をつければいいんだろう?」
いざ、やろうとしても、どこから始めて良いかわからず数ヶ月経ってしまった…という方、結構いらっしゃるのではないでしょうか。
実は、長年この仕事をしていて、ひとつハッキリ言えることがあります。
それは、多くの個人起業家が「ブランディングの1歩目」だと思ってやっていることは、実は1歩目ではない、ということです。
今回は、「ブランディング=なんとなくかっこよく見せること」という思い込みを一度外して、最後まで読んでみてくださいね。
目次
みんなが「1歩目」と思ってやっているのは、実は単なる”魅せ方”

いきなり結論から言うと、多くの方が「ブランディング」のことを、”魅せ方”と勘違いしていることです。
たとえば、こんな具合です。
・イメージコンサルタントに頼んで、似合う色を診断してもらう
・ホテルのスイートルームを借りて、プロフィール写真を撮る
・富裕層に見せた方がクライアントが憧れると思って、ブランド物のバッグや時計を身に着ける
・名刺のデザインにこだわる
もちろん、これらもブランディングには不要とまでは言いませんが、「バッグはヴィトンにしろ」とか「名刺にハートマークを入れろ」というのは、本当のブランディングではとても言えないことです。でも、個人起業家の世界では、こういうのが割と普通に、「ブランディング」として語られてきた経緯があるのです。
ただ、順番として、これは1歩目ではない。ここを間違えると、どれだけお金と時間をかけても、中身の伴わない「雰囲気だけの人」になってしまいます。
ブランディングとは、本来、何なのか
そもそも、ブランディングというのは、「見込み客の頭の中に、望ましい自分のイメージを作ること」。
さらに、AIに選ばれるという点で言えば、「自分は何の専門家なのか?」をちゃんと言葉として定義することが第一歩です。
相手の頭の中にできあがるあなたの印象は、あなたの専門性が土台にあって、さらに、あなたの哲学や世界観、信条といった、内側にあるものから立ち上がってきます。なので、専門性の定義に加えて、
・自分は、仕事を通じて何を実現したいのか?
・どんな人をクライアントとして、どのように支えたいのか?
・何を大事にしていて、何を大事にしないのか?
までを表現できる状態にしておく必要があるんです。
それが定まっていない人の”魅せ方”は、ただの着せ替えにしかならないんですね。
なぜ今、「魅せ方から入る」ではダメなのか

もう少しだけ、昔の話をさせてください。
実は、ひと昔前までは、この「魅せ方から入る」やり方でも、それなりに通用していた時代がありました。
個人起業家の市場全体がまだ、”成長期”だった頃ですね。大体、2022年頃までは、そんな細かいことを気にしなくても、SNSで魅せ方を工夫する、集合写真をどんどん上げるやり方で売れた人は実際にいたんです。
「人柄ビジネス」なんて言葉もありましたよね。
人柄や雰囲気が良ければ、それだけで講座が満席になった。差別化もそんなに必要なくて、「スピード勝負」「やったもん勝ち」の世界だったんです。ひどいと「あなたの人生を私が背負う覚悟を示せば売れる」なんてセールスを教える人までいたくらいで、それでも当時は通用していました。
でも、今はもう”成熟期”に入っている
ところが、今はもう状況が違います。
同業者がものすごく増えて、個人起業家市場は成熟期に入っています。成熟期というのは、見込み客があなたと同業者をじっくり比較してから申し込むのが当たり前になります。これは「ライフサイクル」といって、どんな時代や業界に関わらず、必ず、そうなるんです。
また、成熟期は顧客も学習が進んでいるので、「雰囲気よりも実績」「魅せ方よりも方法論を持っているか?」といった中身を厳しく見られるようになるんです。
もちろん、人柄や雰囲気は最終的に決め手にはなりますが、比較される時代になった以上、”自分が何者で、何を提供する人なのか”が明確に言語化されていないと、選ぶ側の判断の土俵にすら上がれないんです。
だから、差別化が必要になる
成熟期に入ると、必ず出てくるのが「差別化」という言葉です。
差別化にはちゃんと考えるポイントがあって、
・ビフォーで差別化(どんな状態の人を対象にするか)
・アフターで差別化(どんな変化を提供するか)
・ステップで差別化(どんな道筋でそこに導くか)
・パーソナリティで差別化(自分のキャラクターで違いを出す)
の4要素があります。
そしてパーソナリティ以外はどれも、「言葉で説明できること」が前提なんです。
つまり、成熟期の今、ブランディングで勝負になるのは、魅せ方の前に言葉なんです。
コピーが先、デザインが後
広告の世界には、昔から一つの原則があります。
それは、「コピーとデザイン、どっちが先に決まっていないといけないか?と言えば、絶対にコピー」です。
これは、広告代理店でブランディングを学んだ人間からすると、当たり前のことです。
なぜかというと、デザインというのは「言葉で決まった方向性を、視覚的に翻訳する作業」だからです。
翻訳するべき原文がない状態でデザインから始めても、結局は「なんとなくオシャレな感じ」「なんとなく誠実そうな感じ」にしかなりません。方向が決まっていないから、その場のセンスや流行りに流されるしかなくなるわけです。
言葉が決まれば、デザインは自然に決まる。逆は成立しない。
これが、ブランディングの順番が「魅せ方からではダメ」という理由です。
本当の1歩目は「専門性+関わり方」から考える

では、言葉の具体的な1歩目は何か。
結論から言うと、「あなたの専門性」+「顧客との関わり方」を決めることがスタートです。
たとえば、私が起業に向けてコーチングを習っていたとき、専門性は「企画」、関わり方は「コーチング」=企画コーチングという言葉からスタートしました。いわゆるコンセプトの原型みたいなものですが、ここから、プロフィール、コンセプト、商品プログラム、そして集客のしくみ・・・が出来上がっていくんです。
専門性の一言はどうやって決めるのか?
ただ、そうは言っても、自分の経験やスキルの何を選べば良いか、最初は迷いますよね。
そういう時は、色々な制約や条件を考えずに、素直に「自分はどういう仕事をしたいのか」から考えてください。
売れる・売れないの話の前に、まず自分が何を大事にしていて、どういう方向に向かいたいのか。まず、ここを一度、ちゃんと言葉にするんです。
それを考えたら、今度は、「人からよく求められること」を振り返ってください。先ほど、私が「企画コーチング」と言いましたが、当時は、メンタルコーチングを習っていたので、長年の広告会社でのキャリアは考えず、コーチング1本で考えていました。
でも、周りからは、「広告会社にいたのなら企画が得意なんでしょ?」「こんな企画の話があるんだけど、参加してもらえないかな?」という話ばかり来る。コーリングの話はひとつも来ないのに、人はやっぱり、あなたの経験を見ているわけです。
そのように、自分が求められることを振り返っていくと、段々と「どんな人を相手にビジネスをするのか」が見えてきます。
そして、ここまで整理してきた全部を、一つの言葉にまとめる。これがコンセプトなんです。
コンセプトが決まって、はじめて”魅せ方”が決まる
ここまで来ると、面白いことが起きます。
それまでフワフワしていた「魅せ方」が、自動的に決まり始めるんです。
たとえば、ターゲットが「法人相手のサラリーマン」だとしたら、デザインは青やシルバーで、ちょっとカチッとした印象に寄せていくことになります。みんな、スーツでパリッとした写真を撮るわけですね。
一方で、「女性向けで、寄り添いながら話を聴くカウンセラー」だとしたら、青のカチッとしたスーツより、爽やかな白いシャツで、公園で撮影…というイメージが自然と湧いてくるのです。
また、さらに細かい例で言うと、アラサー女性向けとアラフィフ女性向けでも、全然違います。雑誌の表紙を見てもらうとわかるのですが、女性誌って、同じ「女性向け」でも、表紙のトーンが雑誌ごとにすごく微妙に違いますよね。あれは、読者層というコンセプトが明確に決まっているから、あの微妙なトーンの差が出せるんです。
「なんとなく」でビジュアルから入ると、HPがすぐに古くなる
多くはこの順番を知らないで、ビジネス構築を進めてしまうので、コンセプトがぼんやりしたまま、先に「撮影どうしよう」「服装どうしよう」「ホームページの色どうしよう」と、見せ方だけ考えてしまいます。
すると、その時の気分や流行りで決めてしまうので、後で見直したときに「なんか違うな」と全部やり直したくなります。起業するならHPくらい作らなきゃ!と慌ててつくって、結局、継ぎ接ぎになったり、放置してしまうのも、この順番を知らないまま、進めてしまうからです。
逆に、コンセプトが一本通っている人のHPは、時間が経ってもブレません。なぜなら、HPのヘッダーの言葉とその世界観が、コンセプトに基づいているからです。
なぜ、思うようなブランディングができないのか?

ここまで読んで、「言葉が先」というのは、納得してもらえたと思いますが、「では、なぜ、多くの人が、そんなに大事な”言葉”をスルーして、見せ方から入ってしまうのか?」
実は、これには理由があります。
言葉にする作業は、地味でしんどい
ビジュアルを整える作業には、やっていて楽しい部分があります。
撮影は晴れやかな気持ちになりますし、色を選んだり、フォントを決めたりは、作業として前に進んでいる実感が湧きやすい。ちょっとしたイベントだし、ある種の達成感もありますよね。
でも、言葉にする作業は孤独です。
机に向かって、自分の頭の中にあるぼんやりしたものを、ひとつひとつ引っ張り出して、並べて、削って、組み直す。しかも、書いては「これじゃない」、書き直しては「まだ違う」の繰り返しです。
何も進んでいないように感じるし、やっている本人もしんどい。だから、みんな無意識に避けてしまうんです。
どれだけ言葉のセオリーを知っているか?
私の講座でも、受講生さんがプロフィールを持ってくると、赤字だらけになることがよくあります。
初めての方は、正直ビックリされますが、プロの目から見ると、「これでは選ばれようがない」ものになっているケースがほとんどです。
コンセプト同様、プロフィールもちゃんと書き方のセオリーがあって、一語一語、見込み客にどう届くかを考えながら組み立てていかないと、結局は「どこかで見た自己紹介」にしかなりません。
多くの方は、このような「どこまで作り込むか」の基準がわからないまま、なんとなく書いて、なんとなく出してしまっています。だから、何度書いても手応えが出ないんですね。
まとめ
というわけで、ブランディングをつくっていく順番としては、
・自分はどんな仕事をしたいのか?
・自分は何を求められるのか?
・誰を相手にビジネスをするのか?
・それを、ひと言でどう表現するか(=コンセプト)
ここをきちんと言葉にするところがブランディングはスタートします。
地味で、しんどくて、時間もかかる作業です。でも、ここが決まれば、その先のビジュアルも、発信も、セールスも、「自分はこれ!」と一貫性のあるブランドができていきます。
ブランディングは、まず言葉づくりから。これが、本物のスタートラインです。
よくある質問
言葉にする作業って、どのくらい時間をかけるものですか?
「早く発信を再開したいのに、言語化に何ヶ月もかけていられない」と感じる方は多いと思います。ただ、私が見てきた限り、これは長くかければ良いというものでもありません。
大事なのは時間の長さより、考える深さです。一人で唸っているより、このようなブランドをつくる手順をしっているプロに相談しながら作った方が、早く、良いものができるようになります。
起業したばかりでも、コンセプトって作れるものですか?
「まだ実績も少ないし、コンセプトなんて作れる段階じゃない」と思われがちですが、これは順番が逆です。コンセプトが決まってなければ、選ばれようがありません。選ばれなければ実績も積み上がらない。
つまり、起業歴の長さより、「自分のコンセプト」をしかり言葉にできているかどうかの方が、ずっと重要です。
HPは、いつから始めればいいですか?
HPは焦って早くつくる必要はありません。コンセプトが決まらないうちにHP立ち上げても、後で全部作り直したくなるケースがほとんどだからです。
HPは、最低限、コンセプト、プロフィール、商品プログラムができてから作ってください。できれば、顧客実績やメルマガやLINE登録の特典まで揃っていればベストタイミングです。
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今回の記事を読み、「AIブランディングの大切さと、今すぐ始めなければいけないことが分かった!」「でも、コンセプトやプロフィール、商品はこれで本当にいいの?」「スキルや経験がとっ散らかって何を軸に発信したらいいのか分からない…」と感じている方はぜひ以下から受け取ってください。