コーチ・コンサルタント・カウンセラー・セラピストなど個人向けの対人支援ビジネスで独立起業をしている皆さん。
毎日リール投稿を続けて、ストーリーズも1日3回アップしているのに、なぜかリスト1件すら取れない……。あなたは、そんな状況になっていませんか?
2016〜2022年頃までは、とにかく集客スピードを上げれば結果が出ていました。「毎日投稿を続ければ売上はついてくる」という言葉どおりに、ちゃんと成果を出す人がたくさんいた時代です。
しかし、今は明らかに状況が違います。AIが大量のコンテンツを生み出し、似たような発信があふれかえるなかで、「あなたは他と何が違うのか?」という問いに答えられない人は、どれだけ発信量を増やしても素通りされてしまう時代になりました。
その問いに対する答えを言葉にする手段こそが、ポジショニングです。
今回は、個人起業家がAI時代を生き残るために欠かせない「ポジショニング」の考え方と、具体的な作り方を解説します。
目次
個人起業家にとっての「ポジショニング」とは?
まずは、ポジショニングという言葉の意味を整理しておきましょう。
ポジショニングとは、「市場のなかで、自分が他と区別される立ち位置を決めること」。
もっとシンプルに言うなら、「勝てる場所を選ぶこと」とも言えますね。
似た商品やサービス、個人がひしめく市場で、お客様の頭の中に「○○といえば、あの人!」と思い浮かべてもらえる位置を確保する。これがポジショニングの本質です。
もちろん、明確なコンセプトをもってサービスの中身を磨くことは大前提ですよ?
でも、いくら良い商品でも「どこに置くか」を間違えれば見つけてもらえません。商品の良し悪し以前に、「自分はどの場所で、誰に向けて勝負するのか」を決めることが、今後のビジネスの成功を左右する、非常に重要な土台になるのです。
なぜ今、個人起業家にポジショニングが必須なのか

発信量だけでは差別化できない時代になった
AIの登場で、コンテンツ生成のハードルは大きく下がりました。一見、発信のチャンスが広がったように見えますが、裏を返せば、似たような発信が無限に増える…ということでもありますよね。
そんな環境のなか、いま、発信を見る読者=見込み顧客は「他と何が違うのか」を無意識に、かつ瞬時にふるい分けるようになりました。つまり、差別化できていない発信は、量がいくら多くても見込み顧客に素通りされてしまう、ということです。
発信を始める前に「自分はどの場所で、何の専門家として認知されるのか」を決めておくことが不可欠な理由がここにあります。
多くの個人起業家が見落としている「市場選び」という前提
皆さんが起業するときには、どんな順番で進めましたか?
以下のような順番で進めなさい、と起業塾やビジネス講座で言われた人が多いのではないでしょうか?
- 強みを言語化する
- ターゲットを決める
- コンセプトを作る
- 高額商品をつくる
- SNSなどで発信する
何を隠そう、私自身もこの順番でビジネスを構築してきましたし、最初に通った起業塾でもみんなこの流れで進めながら、各段階でいろいろと悩んだものです。
ただし!
この順番は、今振り返ってみると、決定的に抜けているピースがあります。それは「これから取り組む市場が、伸びるのか、縮むのか」という視点です。
縮小していく市場でいくらコンセプトを磨いても、見込み客自体が減っていく以上、努力はなかなか報われないですよね。コンセプトを決める前に「どの市場で勝負するか」を見極めることが、想像以上に大事なのです。
ポジショニング設計の出発点は「市場のグルーピング」
さて。
「ポジショニングが大事なのはわかった。でも、どうやってポジションを決めれば良いの?」と、いま皆さんは思っているのではないでしょうか?
そこで、ここからは具体的な作り方を解説します。
ポジショニングというと、最初に「縦軸・横軸」を決めようとする方が多いのですが、これはおすすめしません。先に取り組むべきは、自分のジャンル全体を俯瞰して、どんなグループ(勢力)が存在するかを整理することです。
もちろん、競合を一人ひとり追っていくのは無理なことですし、枝葉に振り回されてしまいます。 「だいたい3〜4タイプに分けられるな」と塊で捉えれば、市場の全体像がぐっと見えやすくなります。
先日も、私の講座でサロンの経営サポート事業を立ち上げる受講生さんと、彼女のポジショニングを一緒に考えました。市場全体を俯瞰してみると、個人起業家の世界には大きく3つの勢力が存在することが浮かび上がってきたのです。
個人起業家市場に存在する「3つのポジション勢力」

個人起業家の市場を眺めてみたとき、あなたも以下の3つのポジションのどれかに入るのではないでしょうか?
以下、ご自身のビジネスや現状を思い浮かべながら、「自分はどれに当てはまりそうだろう?」と考えてみてください。
①広告マーケ派
まずは、広告を活用した仕組み化・自動化を得意とするグループです。彼らは、「SNS不要で売れる」「仕組みさえ作れば自動で集客できる」といった訴求が特徴的で、男性が比較的多めですが、女性のサロン経営者にも一定数います。
現時点では個人起業家ビジネス全体で最大の勢力であり、売上規模も大きい一方、Meta広告をはじめとした広告費の高騰が直撃しており、かつてのコスト感では成果が出にくくなっているのがここ最近の実情です。
②世界観共感派
続いては、世界観や共感をベースにファンを集め、Instagramなどのフロー型メディアやコミュニティの「楽しさ」を武器にするグループです。「本当の私らしく働く」「自分らしいビジネス」といったメッセージが多く、女性の比率が高く、とくにサロンオーナーでは最大派閥です。
サロンのジャンルで見てみると、ホットペッパーの出稿は慣れていても、Meta広告には苦手意識が強く踏み出せない人が多いです。リピート獲得につまずく人も多く、月商20万円前後で伸び悩んでいるケースが目立ちます。発信は活発にしているものの、収益化の壁にぶつかっているのがこのグループの特徴です。
また、その他、心理カウンセラー、コーチ、スピリチュアルジャンルなども世界観共感派が多く、つながりを大事にしたり、ライブやコラボイベントなどをやる人も多いですね。
③専門家ブランド派
3つめは、知識・理論・独自メソッドを軸に、エビデンスを示しながら信頼を積み上げるスタイルの人たちで、私は「専門家ブランド派」と呼んでいます。派手なSNS発信はしませんが、ブログやYouTubeなどでコツコツと自身の専門性を発信し、固定客に支えられて安定した売上を維持しています。
見た目の華やかさでは①②に及ばないものの、顧客の質と継続率の高さが武器。AIから見ると非常に引用・紹介がしやすいタイプでもあり、最近増えてきたAI検索(LLMO/AIO)に強いのも特徴です。現時点では少数派ですが、この先もっとも成長が見込まれる勢力といえるでしょう。
各ポジションの「今後の動向」を見極める
さて、あなたは3つの勢力のどれにもっとも近かったでしょうか?
つづいては、それぞれの勢力の今後の推移を考えてみましょう。ここが戦略を考えるうえで最も重要なステップになります。
冒頭の受講生さんと、AIも使いながら今後を読み解いてみたところ、こんな見立てが浮かび上がってきました。
- 広告マーケ派 → 縮小傾向(広告費の高騰が直撃)
- 世界観共感派 → 微減傾向(SNSのアルゴリズム変更やリーチの限界)
- 専門家ブランド派 → 少数派ながら、今後最も伸びるゾーン
そのサロンの受講生さんは、まさに「専門家ブランド派」でした。整理を終えたとき、彼女自身も驚いたようにこう言っています。
「確かに私の周り、同じようなスタイルの人が中々いないんですよね…。」
少数派は「これでいいのかな…」「なんだかSNSで成功してる人たちとやりかたが違うけど大丈夫・・?」と、不安や孤独を感じることもあります。
でも、よく考えてみてください。ポジショニングの視点で全体を俯瞰すれば、「縮小・微減していく勢力が多いなかで、自分だけが伸びるゾーンにいる」という事実が見えてくる。むしろ大きなチャンスの中にいるんです。
ポジショニング以前に「衰退市場」を選んでいないか
自分の立ち位置を確認できたら、次は縮小・停滞勢力からの「乗り換え需要」を意識します。
広告費の高騰で苦しむ広告マーケ派、収益化に頭を抱える世界観共感派は、今まさに「別のやり方」を探しています。
「今のやり方に限界を感じている人」に響くメッセージと打ち手を設計していくこと。これがポジショニングを活かした戦略の核心です。
ただし、ここでもうひとつ注意点があります。それは、そもそも自分の取り組むテーマが衰退市場に入っていないかという点です。
AIによる分析で、今後厳しくなると予想されている分野の例は以下のとおりです。
- 高額講座のローンチ集客系/フォロワー増を狙うSNS集客系
- 成功哲学系の自己啓発/短期で稼ぐ転売・副業系
- NLPスクール/個人向けビジネスマナー
- 従来型の婚活講座/自己肯定感UP講座
- 国家資格以外の心理カウンセリングスクール/LINE公式の自動化講座
共通するのは、「情報の希少性がなくなった」「AIやSNSで代替可能になった」「見込み客が飽きた」という3点。もちろん、どんな世界でも、まったくゼロになることはないので、上位10%くらいの人は生き残れるかもしれません。しかし、下りエスカレーターを必死で駆け上がるような市場で頑張っても、努力に見合う見返りは得にくいわけです。
逆に、AI×セラピー、AI×自己理解のようにAIと自分の専門性を掛け合わせる方向は、これから伸びると見られています。市場選びの精度は、ポジショニング以前にビジネスの成否を左右する要素です。
「戦略」を決めずに「戦術」に走るのはちょっと待った!
そしてもう一つ、ポジショニングを考えるうえで欠かせない原則があります。それは、「戦略」が先で、SNSやローンチは「戦術」だということ。
やる気にあふれた人ほど「次はYouTube」「チャレンジローンチ」「Xもやらなきゃ」…と、新しい打ち手に飛びつきがちです。とくに反応が出ているときほど手を広げたくなりますが、ポジショニングが定まらないまま戦術だけを増やしても効果がでないんですね。エネルギーが分散して「とっちらかってしまった…」で終わるケースも、過去に何度も見てきています。
まずは戦略が第一です!「どの市場で、誰に、何の専門家として勝負するのか」を決めましょう。
その次に、SNSもローンチも、戦略を実現する「手段」「戦術」として選んでいく。この順番はかならず守ってください。
ポジショニング設計の4ステップ
最後に、ここまでの内容を4つのステップに整理しておきます。
Step1|市場全体を3〜4のグループに分けて把握する 競合を個別に見ず、塊として捉えれば、業界の全体像が浮かび上がります。
Step2|各グループの今後の動向をAIで読み解く 拡大・縮小・横ばいの方向性を見極める。AIをうまく使えば、個人でも精度の高い見立てができます。
Step3|自分が属するグループの優位性を確認する たとえ少数派でも、伸びるゾーンにいるならそれは強みになります。
Step4|縮小・停滞グループへの「乗り換えメッセージ」を設計する 「今のやり方に限界を感じている人」に届く言葉と打ち手を準備する。
AIが普及していくほど、似たような発信は確実に増えていきます。だからこそ、「あなたは他と何が違うのか?」に答えられるポジションを今のうちに固めておくことが、これからの個人起業家にとって最大の準備となるはずです。
まずは自分のジャンル全体を俯瞰して、「自分はどの勢力に属しているか」を考えてみるところから、ぜひ始めてみてください。
よくある質問
ポジショニングは、起業前に決めるべきですか?事業を始めてからでも大丈夫ですか?
起業前でも事業がスタートしてからでも、いずれのタイミングでも構いません。むしろ、最初から完璧を目指して動けなくなるくらいなら、仮のポジションで動き出して、市場の反応を見ながら微調整していく方が現実的です。
ただし、SNS発信や商品設計などの「戦術」に手を出す前に、必ずポジショニングを言語化しておくこと。ポジショニングが決まらないまま戦術だけを増やすと、エネルギーが分散して結果が出にくくなります。「最初の仮ポジション → 動きながら磨く」というスタンスが、現実的で最短のルートです。
一度決めたポジションを途中で変えてもいいですか?
全く問題ありません。むしろ、市場の動きや自分の経験値に合わせてポジションを「磨いていく」のは、専門家として自然なプロセスです。ただし「コロコロ変える」のと「磨いていく」のは別物です。
短期間で何度もポジションを変える人は、発信の一貫性がなくなり、見込み客にもAIにも「何の専門家かわからない人」と認識されてしまいます。一方で、軸となる強みや独自の視点は維持しながら、表現や対象を時代に合わせてアップデートしていくのは、継続的な進化として歓迎されます。「変えるかどうか」より「軸はブレていないか」を確認することが、より本質的な見直しになります。
衰退市場のリストに自分の今のテーマが入っていた場合、すぐに撤退すべきですか?
いきなり撤退する必要はありません。まずは、自分の強みや経験を活かしつつ「掛け合わせ」で再設計できないかを検討してみてください。たとえばカウンセリングだけで戦うのが厳しくても、「AI×自己理解」のように時代の変化と組み合わせれば、伸びる市場に位置づけ直すことができます。
ポジショニングは「いる場所を変える」ことであって、「これまで積み上げたものを捨てる」ことではありません。今の専門性を土台にしながら、伸びる方向に立ち位置をずらしていく発想で再設計すれば、過去の経験が活きる独自の強みになります。
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