コーチ・コンサルタント・カウンセラー・セラピストなど個人向けの対人支援ビジネスで独立起業している皆さん。
「USPを見つけなさい」と言われても、何を答えればいいのか分からない。
スキルや資格を書き出しても、どれもこれも当たり前に感じてしまう。
そんな状態になっていませんか?
もし、あなたが今そう感じているなら、USP探しのアプローチそのものを変える必要があります。
結論から言うと、USPは「頭で考えて作る」ものではなく、「自分の過去から掘り起こす」もの。
その鍵になるのが、私が「通算時間の法則」と呼んでいる考え方です。
今回は、個人起業家のUSPの見つけ方について解説しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
そもそもUSPとは何か?

USPという言葉の起源と有名事例
USPはUnique Selling Proposition(ユニーク・セリング・プロポジション)の略で、直訳すると「独自の売りの提案」。
1940年代のアメリカの広告人ロッサー・リーブスが提唱した概念で、「だからあなたから買う理由」を一言で表したものです。
個人起業家の世界では、2013〜2014年頃にUSPという言葉が一気に流行り、当時はコンセプトと混同されていました。
でも本来、USPはコンセプトの一部なんです。
有名なUSPの事例を3つ挙げてみますね。
- 宅配ピザ(ドミノピザ):「30分以内にお届け、遅れたら無料」。味ではなく「配達スピードの保証」に絞り込み、他社と違う土俵を作った
- M&M'sチョコレート:「お口でとろけて、手にとけない」。美味しさではなく「手が汚れない」という1点に絞り、親の悩みを直撃
- FedEx:「絶対、確実に、翌日の朝までに届ける」。スピードではなく「確実性への絶対保証」で、ビジネスマンの不安を解消
この3社に共通するのは、機能や品質の自慢ではなく、「顧客の特定の悩みに対する、自分たちだけの約束」を打ち出していること。
ここ、すごく重要なポイントです。
個人起業家のUSPは「コンセプト公式」の中にある
個人起業家のコンセプトは、次の公式で構成されています。
- こんな人のこんな悩みに(ターゲット)
- こんな自分の売りで(USP)
- こんな良いことになる(ベネフィット)
- こんなプログラム(肩書)
この中の「こんな自分の売りで」の部分がUSPです。
ターゲットの悩みとベネフィットに挟まれた、あなた独自の売りですね。
ここで、よくある間違いがあります。
それは、USPを「習ったスキル」だと思い込んでしまうこと。
コーチング、カウンセリング、NLPなどはリソースではあっても、同じ資格を持つ人が何百人もいる以上、それ単体ではUSPにはなりません。
そうではなく、「習ったスキル」と「自分の経験」を組み合わせて独自のものに仕立てる。
これが個人起業家の王道なんです。
USPはV字ストーリーの中に眠っている

では、どの経験をつまめばUSPになるのか?
鍵になるのが、「V字ストーリー」です。
V字ストーリーとは、人生のどん底経験や何年も探求の末に、独自の解決策を掴み取るまでの物語のこと。
このような経験は、感情が強く揺さぶら、試行錯誤を繰り返すうちに、他の人には思いつかない知恵が脳に蓄積されているんです。
例えば、よくこんなケースがあります。
- 不登校の子を持つママなら「なぜこの子は学校に行かないのか」と自問自答し、先生に相談したり本を読み漁ったりして、不登校の子供への対応の仕方に詳しくなっていく
- 長年営業をやってきた人なら「雑談から信頼を得るには?」を常日頃考え続け、無意識の中に独自のやり方ができあがっている
などです。
お気づきかもしれませんが、このようなケースのほとんどで本人は、それが売りだとは思っていないことです。
でも、いざ、対クライアントという側面で考えれば、同じような不登校で悩むママへの売りになるし、営業未経験の人に対して「雑談から信頼を得るアプローチ」がそのまま売りになるんです。
つまり、自分にとっての「当たり前」こそが、他の人にとっての「欲しいもの」になるわけです。
これがV字ストーリーを見つける最大の効果なんですね。
【最重要】USPは「通算時間が一番多かったこと」に宿る

そして、USPの最有力候補は、そのようなV字経験の中で、あなたがこれまでの人生で「一番長い通算時間を費やして自問自答してきたこと」です。
私はこれを「通算時間の法則」と呼んでいるのですが、これまで沢山の受講生を見てきた中で、USPがスッと見つかる人と何年も迷い続ける人の違いは、ここにあると確信しています。
なぜ通算時間がUSPになるのか
通算時間が長いということは、それだけ試行錯誤して頭の中に蓄積がある状態です。
つまり、そのテーマで発信すると、どんどんネタが出てくるのです。
これに対して、「流行っているから」「稼げそうだから」で選んだテーマは、発信の途中で必ずネタ切れを起こしますが、何年も悩んで考えてきたことは、定着した記憶と学びが結びついているので、いろんなアイデアに変わりやすいわけです。
発信が続く人と続かない人の差は、ここに出てきます。
また、脳は同じ思考を繰り返すとシナプスが発達し、やがて「無意識」の領域に入って自分にとっての「当たり前」になります。
他人から見れば驚くほど深い知見なのに、本人にとっては空気のように当たり前に感じてしまう。
だからこそ、意識して掘り起こす作業が必要なんですね。
通算時間を掘り起こす3つの質問
では、これをどのように見出すのか?ですが、次の3つを自分に問いかけてみてください。
- 1つ目:これまで一番長い時間、探求してきたことは何か?
- 2つ目:人より短時間でできることは何か?(脳内に回路ができあがっている才能のサインです)
- 3つ目:時間を忘れて夢中になれることは何か?
その中で、「一番感情を使ってきたこと(悩んだこと、悔しかったこと)は何か」を問い直してみてください。
感情を強く揺さぶられた経験は、思考の密度が高いぶん、通算時間と連動していることがほとんどです。
「これでいいの?」と思うレベルでOK
先ほど、「自分にとっての当たり前」の中にUSPがあるとお伝えしましたが、通算時間の法則で出てきたテーマは、ほぼ例外なく「こんなんでいいの?」と感じるものです。
「これが売りだ!」という手応えを求めると、お客様の欲しいこととズレて売れなくなる原因になります。
「これでいいのかな」ぐらいがちょうどいい。これが鉄則です。
USPは「専門分野」+「関わり方の動詞」でできる

通算時間の法則で単語が出てきたら、次はUSPの形に整えていきます。
最初は、ざっくりした言葉しか出てきません。
私自身も広告代理店で企画の仕事をしていたので、最初に出てきたのは「企画」という一語だけでした。
そのような専門を表す言葉が出てきたら、次は、そこに「動詞」を加えてみてください。例えば、
- 企画を支援する
- 企画を引き出す
- 企画を教える
というふうに、支援する、教える、引き出す、解決する、癒やすなどの「クライアントとの関わり方」を表す動詞を加えるのです。
これが、USPの原型になります。
「専門分野(通算時間で出た単語)」×「クライアントとの関わり方(動詞)」という掛け算でできあがるんですね。
ここまで来ると、さっきまで「こんなのがUSP?」と思っていた一語が、だんだん仕事の形に見えてきます。
USPは段階を踏んで磨いていく

宅配ピザの「30分で届ける」のようなシャープなUSPは、いきなりは出てきません。
そのような他とは違う「あなただけの顧客との約束」をつくっていく正しい順番は、
- ステップ1:V字ストーリーから通算時間に当たる単語を出す
- ステップ2:動詞を加えて「関わり方」まで言語化する
- ステップ3:商品設計やコンセプトワークを進める
- ステップ4:商品やコンセプトが固まった後、「自分しかできないこと」をシャープな一言に磨く
という手順になります。
最初からシャープな言葉を出そうとしても、中身が伴わなってなければ、単なる言葉遊びで終わってしまいます。
これではクライアントには届かない。
だからこそ、まずはシンプルな原型から始めて、商品設計を通じて精度を上げていく。
遠回りに見えて、この順番こそが、結果的に一番早くUSPにたどり着く道なんです。
まとめ:USPは外に探しに行かない
というわけで、ここまでUSPの見つけ方についてお伝えしてきました。
USPとは、「あなたから買う理由」を一言で表す独自の約束です。
宅配ピザやFedExがやっていることを、個人起業家に当てはめてやるだけなんです。
そして見つけるべきは、あなたのV字ストーリーの中で、最も長い通算時間を投下してきたこと。
あなたがこれまで一番長く悩み、一番長く考え、一番長く感情を使ってきたことの中に、他の誰にも真似できない売りが眠っているんです。
いずれにしても、まずは今日、
- 一番長く自問自答してきたことを1つ、単語で書き出す
- そこに「支援する」「引き出す」「教える」などの動詞を加えてみる
この2つをやってみてください。
「これでいいのかな」と感じたら、それが本物のサイン。
手応えがないくらいでちょうどいい。
そこから商品設計を進めていくことで、USPは少しずつシャープに磨かれていきます。
よくある質問
USPと強みの違いは何ですか?
「強み」と「USP」を同じものだと思っている人はとても多いですね。強みは「自分が自然にできてしまうこと」、USPは「その強みの中でお客様がお金を払ってでも欲しい約束」。つまり、強みの中にUSPがあるということです。
資格やスキルは強みの部類ですが、それだけでは「あなたから買う理由」にはなりません。USPは、強みを素材にして、お客様の悩みに向けて形にし直したもの、とイメージしてください。
V字ストーリーに当てはまる経験が自分にはない気がします。
「私には大した苦労話なんてないし…」と感じる方はかなり多いのですが、V字ストーリーは、他の人があまり経験してないような苦労話である必要はありません。
長く悩んだこと、何度もぶつかった壁、周りから見れば些細でも自分が粘り強く向き合ったテーマ。そこに必ず、他の人にはない蓄積が眠っています。「ドラマチックじゃないと売れない」という思い込みから外れると、意外な経験が浮かび上がってきますよ。
色々な経験の中のどれをUSPにすればいいか絞れません。
選択肢が多くて迷うのは、素材が豊富なサインです。その判断基準が「一番長く自問自答してきたテーマ」なので、単純に時間を計算してみてください。
流行っているから、稼げそうだから、で選ぶと、発信が続かなくなります。逆に、時間をかけて考え続けてきたテーマは、ネタが尽きず、発信にも自然と熱が乗ります。迷ったときは「次々とネタが出てくるものはどれか」で選ぶのが正解です。
USPを言語化した後、どうやって商品を設計していきますか?
USPが形になったら、次は「そのUSPで解決できる、具体的な悩み」を明確にしていきます。誰の、どんな場面の、どんな困りごとに答えるのか。ここが曖昧だと、せっかくのUSPが空回りしてしまいます。
逆にお客様の悩みに解像度高く結びついたUSPは、商品設計もコンセプト作りもサクサク進みます。このあたりの組み立て方は、スタートアッププログラムで体系的に学べるので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。
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